なーたんが帰ってきてからの私は、母の住む一階で夕食を食べる時以外は基本なーたんのそばにいた。
タブレットを持ち込んで映画を観たり、ドラマを観たりして過ごした。
なーたんはほぼ動かない。トイレの時とたまにベッドから降りて、体の置き所がないのか暗くしたケージの中に入ってみたり、クローゼットの隅の方に身を隠すことはあるが…。
そして1日か、1日半に一度、彼女は吐く。何も食べていないのに。大量に吐く。緑の胆汁に染まった胃液を。
吐き終わると少し楽になったように.ベッドに戻ってくる。
それがなーたんの日常になった。
なーたんが吐いたら、吐瀉物がかかったタオルを剥がし、その下のペットシーツを敷き直し、新しいタオルをその上に敷く。そして汚れたタオルを手洗いし吐瀉物を流し、その後洗濯機で洗い、干す…。
それが私の日常になった。
確実に死に向かっているけど、なんとなく穏やかな日が過ぎていく。
そして近くの動物病院が休みの日以外は点滴と注射に通う。受付もする獣看護師の女の子はいつも少し悲しそうな顔で対応してくれる。なーたんがもう、死んでいくということがわかっているからだ。
そんな毎日が1日1日過ぎて行った…。
続く…
タブレットを観る私の足元にはいつもなーたんが寝ていた