なーたん大好きだよ

2021年8月2日に悪性リンパ腫による食欲廃絶で亡くなったなーたん。その病状の始まりから治療、虹の橋を渡るまでの記録。

なーたん我が家での最期の日々②

なーたんが帰ってきてからの私は、母の住む一階で夕食を食べる時以外は基本なーたんのそばにいた。

タブレットを持ち込んで映画を観たり、ドラマを観たりして過ごした。

なーたんはほぼ動かない。トイレの時とたまにベッドから降りて、体の置き所がないのか暗くしたケージの中に入ってみたり、クローゼットの隅の方に身を隠すことはあるが…。

そして1日か、1日半に一度、彼女は吐く。何も食べていないのに。大量に吐く。緑の胆汁に染まった胃液を。

吐き終わると少し楽になったように.ベッドに戻ってくる。

それがなーたんの日常になった。

なーたんが吐いたら、吐瀉物がかかったタオルを剥がし、その下のペットシーツを敷き直し、新しいタオルをその上に敷く。そして汚れたタオルを手洗いし吐瀉物を流し、その後洗濯機で洗い、干す…。

それが私の日常になった。


確実に死に向かっているけど、なんとなく穏やかな日が過ぎていく。


そして近くの動物病院が休みの日以外は点滴と注射に通う。受付もする獣看護師の女の子はいつも少し悲しそうな顔で対応してくれる。なーたんがもう、死んでいくということがわかっているからだ。


そんな毎日が1日1日過ぎて行った…。


続く…


タブレットを観る私の足元にはいつもなーたんが寝ていた

なーたん我が家での最期の日々①

7月6日火曜日、なーたんが我が家に帰ってきた。悪性リンパ腫が見つかってからちょうど1ヶ月がたっていた。


もう、なーたんを頑張らせない。もうずーっとおうちだよ。


ビビりななーたんにとって、入院も手術も…どんなに恐ろしいことだっただろう。それを想像すると、胸が締め付けられそうだった。


帰ってきたなーたんは、前回の帰宅の時よりも一層痩せて…歩くと足取りがふらついている。もういつもソファに飛び乗ることもできないし、ましてやよく朝日を眺めていた高窓に登ることもない。


帰ってきたなーたんは私の部屋のベッドで窓から見える空や鳥を懐かしそうに見るだけだ。


それでも私はなーたんがそばにいるのが嬉しかった。嬉しそうにニャーニャー鳴くことはなくても…愛しそうに私の顔をペロペロ舐めることはなくても。


全く食べない、飲まないなーたん。

以前イヌネコ神社に行ってくれた若ちゃんに

「飲まず食わずでどれくらい生きられるのかな」

と聞くと

「2週間ぐらいかなぁ」

とのお答え。動物病院の先生に聞いても同じぐらいの目安だった。


2週間。この日々を大切にしよう。なーたんが幸せに旅立てるように。


続く…



最期の日々。なーたんの定位置、私のベッド。毎日吐いてしまうので周りにペットシーツを敷き、でもそれだとガサガサ居心地が悪そうなのでその上にタオルを敷き詰めた。

緩和ケア

週末も奇跡は起こらず、月曜日、面会に行った私にA先生はこれからのことを話した。最後の可能性、抗がん剤のことだった。


何かが詰まったり癒着しているせいでだけで胃腸が動かない、という可能性が消えた今、あとは胃腸の壁にリンパ腫が増えてきているのが原因という可能性が有力になってくるからだ。


可能性がある限りそれに賭けたい…と思っていたのだが…もう私は決めていた。


「抗がん剤はやりません。もうこれ以上、苦しめたくないので…。あとは家でゆっくりさせたいと思います。退院させてください。」


すぐに連れて帰れるかと思ったが、いろいろ処置があるということで、明日退院ということになった。


その足で最初に手術してもらった近所の動物病院に行った。なーたんを家に連れて帰ってきたら、最低限何をしたら極力苦しまないで逝かせてあげられるのか、緩和ケアに必要なことを聞きたかったのだ。


「そうかー。残念でしたね…」

そう言いながら先生はなーたんにやってあげられることを提案してくれた。


①皮下点滴

②吐き気止め

③胃液抑制剤


未だに吐き続けるなーたんに、このケアが良いのではないかということだったので、退院した次の日からこの病院が開いている日は毎日通うということになった。


明日…なーたんが帰ってくる。何も食べない、水も飲まないなーたんは…あとどれくらい生きていられるのかな…


続く…


ヘソ天が得意ななーたん(元気な頃)