なーたん大好きだよ

2021年8月2日に悪性リンパ腫による食欲廃絶で亡くなったなーたん。その病状の始まりから治療、虹の橋を渡るまでの記録。

セカンドオピニオン③

「あえて言うなら…僕なら手術もしなかったかな。だって…手術しても…完全に取り切れるわけじゃないでしょう。癌との追いかけっこだよね。それなら何もしないでおうちにいさせてあげたいよね。」


先生なら、そう言うような気がしていた。私が最初の手術からずーっと思っていたこと。

「手術はなーたんにとって良いことなのか」


先生はふーたんの時にも

「おうちにいさせてあげてください」

と言った。

それがこの先生の一番大事にしていること。


あの時もそうだったけど、私はまたこの先生の前で大泣きしてしまう。


「先生、私、もう一度この子が元気になった姿が見たかったんです。もう一度ご飯を食べる姿が見たかったんです。」


そんな私の言葉にも先生は動物の立場からあっさりと答える。


「それはあなたのエゴですよ。何もしなくたってこの子達は死ぬことなんて考えてない。動物たちは生きることしか考えてないんです。自然に生きているだけでいいんです。」


「先生、私が仕事に行っている間に一人で死んじゃったら…そう思うとツラくて…」


「それでもこの子は大好きな場所で最後を迎えられれば、それでいいんじゃない?幸せだよ」


先生はキャリーの外からなーたんの目を見て「まだしっかりした目をしてるね。最後まで弱った姿を見せたくないんだよね、猫は」


そう言って最後までキャリーを開けずに話を終えた。開けて余計な希望を与えない…それが先生の方針なんだろう。


先生と話せてよかった。もう迷わずなーたんの最期を看取ることができる。


そう思った。


続く…

私が出かける時は大学がリモート授業の娘がなーたんに寄り添うことが多かった(ただ隣で寝るだけ)