なーたん大好きだよ

2021年8月2日に悪性リンパ腫による食欲廃絶で亡くなったなーたん。その病状の始まりから治療、虹の橋を渡るまでの記録。

なーたんお空へ

ひとしきり泣いて泣いて…そして心が静かになった。


なーたん、やっとお空でご飯が食べられてるね。お姉ちゃんのふーたんには…会えたかな。少しホッとした気持ちになった。


そして次に、なーたんを綺麗にしてあげよう。そんな気持ちが湧いてきた。


最後までおしっこはトイレでしていたけど、トイレの後の毛繕いができなかったのでお尻の周りの毛はカピカピ…。綺麗にしてあげたかったけどあまり強く拭くとお尻の骨に当たって痛そうだった。

ここにスプレーで水をかけて絡まった毛をほぐし、タオルで拭いた。

全身は厚手のウエットタオルで拭いて…一通り綺麗になった。

目を閉じさせてあげたかったけど…上手に閉められず、少し開いたままになってしまった。

とりあえずちょうどいい大きさの段ボールに毛布を敷いて…なーたんを寝かせた。


少し綺麗になったなーたんを撫でると、毛並みが気持ちよくて…生きている時と変わらない、やはり愛しいなーたんだった。


「なーたん…。」


亡骸を何度も何度も撫でた。でも返事はなかった。


明日…なーたんを火葬しに行こう。なーたんの姿を見られなくなるのはツラいけど…なーたんは魂になって私のそばにいてくれる。寂しくないよね…?


20年前に父が亡くなった時にそう思った。

「千の風に…」のように亡くなった魂は肉体を離れて…その人を想う人々のところに漂っているのだ、と。

そう考えると寂しさが少し和らいだ。


なーたんも…そばにいてくれる。


そう思った。


続く…



今年1月、元気な頃のなーたん。

あの日(悲しい写真があります。見たくない方はスクロールしないでください)

8月2日月曜日


その日は朝からなーたんの様子が何か違った。

まず瞳が…潤んだような、全体が緑色で泣いているように見える。


なーたん、どうした。


数日前からなーたんの目にはたくさんの目ヤニが溜まるようになり、時にはそれが瞳を塞いでしまうこともあるのでそれをティッシュで拭きながらなーたんの目をよーく見てみた。


何か予感がしたのでその日10時に予約していた整骨院をキャンセルした。


8時をすぎた頃から少しづつ呼吸に変化が起こっているような気がした。


いよいよ…その時が来た…。


私はなーたんをずっと撫で続けた。


今日は仕事はお休みの日。なーたん、今日を選んでくれたの?


なーたん、ありがとね。なーたん、うちに来てくれてありがとね。なーたんと一緒で幸せだったよ。ずっとずーっと大好きだよ。


8時50分頃…いよいよなーたんの呼吸は荒くなり、突然

「にゃーお…‼︎」

一度大きい声で鳴いた。


そして…私が読んだいくつかの闘病記でも見たように頭をグッと反らせ、2回ほど大きくため息のような息を吐くと…その後急に力が抜け…なーたんは静かになった。


なーたん。なーたん逝っちゃったの?


もうなーたんは2度と動かなかった。


私はそっとなーたんを抱き上げた。

なーたんが苦しんでいる間は…苦しいんじゃないかと怖くてなーたんを抱き上げることができなかった。


なーたんをこうやって抱き上げたのはいつぶりだろう。まだ温かい…でも痩せて…骨だけになって…力のないなーたんを抱きしめた。


なーたん。なーたん。嫌だよぅ。もっと生きて欲しかったよぅ。大好き、大好きだよー。


なーたんが苦しむのを見たくなくて…早く終わってほしかったけど…終わってしまったらやっぱり終わってほしくなかった。


続く…


その日の朝…なーたんの瞳が潤んでいた


なーたんは虹の橋を渡った…。

最後の1週間

7月の最終週、近所の動物病院が4日間夏休みを取った。その4日間、点滴はどうなるのか、と心配していたら先生が

「家でご自分でやってみますか?」と。

他の方の闘病記で読んだことはあったので皮下点滴は難しくないらしいということは知っていた。でもまさか自分がやることになるとは…。

そして動物病院が連休に入る前日にやり方を教えてもらった。確かに難しくなく…そして何より安い。

普段先生に点滴をしてもらうときには処置費というものが加算されている。でも自宅でやるなら薬剤の費用のみになるので安い。

自宅でできるのは知っていたけど…先生から提案がなかったのでこの先生は自宅ではやらせない主義なのかと思っていたのだけど…そんなことなかったのか…。それなら最初から家でやりたかったなー、なんて思った。その方が金額的にも精神的にも楽だっただろう。


翌日から…家での点滴が始まった。それと共に不思議なことが起こった。なーたんが吐かなくなったのだ。それは今でも何故だかわからない。もう吐く力もなくなったのか…。そして…痩せた体が…さらに痩せていった。


そしてこの最後の数日…それまでほぼ動かなくなって、私に甘えることがなくなったなーたんが…私が近くで寝ているとその痩せ細った体で起き上がり、私の方にやってきて、以前のなーたんがいつもそうやっていたように私の脇に顔を埋めて甘える様に寝た。


もう自分でも最後なのがわかってたのだろうか。


ありがとうなーたん。最後に…私に甘えてくれたんだね。かつてそうだったように…夜になると私のベッドにやってきて私の腕枕で寝たように…。あの時間が私は本当に大好きだった。かわいい、かわいいなーたん。


続く…


私の脇で寝るなーたん(逝く3日前)


娘にも甘えるなーたん