なーたん大好きだよ

2021年8月2日に悪性リンパ腫による食欲廃絶で亡くなったなーたん。その病状の始まりから治療、虹の橋を渡るまでの記録。

嘔吐

ご飯を食べないのも吐いてしまうのも全てストレスで,家に帰ってきたら急に元気になって食べ始める…なんて希望を抱いていた私だったが…どうやらなーたんの食欲廃絶はそんな単純なものではなかったらしい。


いろいろな種類のエサを準備して…なーたんの前に差し出してみるけど一瞬興味のありそうな素振りをみせるものの…口にするまでは至らない。水さえも…。


なーたんが退院して家に帰ってきて…まずショックを受けたのはやはりその痩せ方だった。今までのように背中を撫でたら…ゴツゴツゴツ…と背骨が手に当たる。


なーたんこんなに痩せちゃって…なんで何もたべないの。エサ箱を開ける音でニャーニャー鳴き出して、エサを取り出す私の腕にしがみついてねだる…あの日のなーたんは…どこにいっちゃったんだろう。切なかった。


最初に手術した近所の病院に水分補給の皮下点滴をしてもらいに行って体重を測ると…6月の初めにここに来た時の半分近くになっていた。5キロ近くあった体重が3キロ弱に…。人間なら50キロの人が30キロになったと思うと…どれだけ大変なことかわかる。


それはそうだ。1ヶ月近く何も食べず、そしてほぼ毎日吐き続けている。痩せないはずがない。


なーたんが吐いたところのタオルを洗うことが私の日課になった。

なーたんは私のベッドにいることが多かったのでベッドの上にペットシーツを敷き詰めたが、それだけだと私もなーたんもら寝心地がわるいので、その上にタオルケットや使い古したタオルをさらに敷いた。吐く瞬間が分かった時は咄嗟になーたんの前にペットシーツを差し出すのだが大抵間に合わなくてタオルケットにかかってしまう。そのタオルを洗う。


吐き終わると少し楽になるのか少し元気になる。だいたい1日か1日半に一度ぐらい吐いた。


慣れると…その洗う作業も嫌じゃなかった。むしろなーたんには「吐いて楽になってよかったね」という気持ちになった。

もちろん吐かないで、元気になるのが一番なのだけど。


続く…


水は飲まないのに何故か水を入れた器の前でじっとしていることがよくあった。飲みたいけど飲めなかったのかな。それは2年前に亡くなったふーたんも同じだった。

ふーたん(亡くなる少し前)