なーたん大好きだよ

2021年8月2日に悪性リンパ腫による食欲廃絶で亡くなったなーたん。その病状の始まりから治療、虹の橋を渡るまでの記録。

腫瘍

6月7日、昨日食欲増進のお薬を注射したのに、なーたんは昨日から何も食べてない。なんなんだろう。

不安で不安で仕方がない。


改めて検査をしてもらうために、また病院に行った。


この日は血液検査、レントゲン、超音波検査をした。祈る思いで待っていると、先生が奥から少し慌てたようにやってきた。


「腸に腫瘍があるね。どんな腫瘍が調べるために針で腫瘍を取る細胞診検査をしていいですか」


瞬間、背中に冷たいものが走った。


「終わりましたので診察室にどうぞ。ご説明しますね。」


先生が見せてくれた超音波の画像には4センチ大の腫瘍が写っていた。かなり大きい…。


この時点では、先生は細胞診の様子だと癌の中でも「リンパ腫」の方ではなく「腺癌」の可能性が高いと説明した。リンパ腫は細胞診で判明しやすいのだけど、その様相が見られなかったらしい。


食欲がなくなるはずだ。4センチの腫瘍がお腹を塞いでいるためご飯が食べられなくなったのだ。


このままだと腸が完全に塞がって腸閉塞を起こしてしまう。それを防ぐには手術で腫瘍を取った方がいい。


「僕は腫瘍は専門ではないけど手術はできます。もし、希望があれば腫瘍専門のところを紹介することもできますが、紹介だと少し受診できるまでに日にちがかかるかもしれない。でもできるだけ早く手術した方がいいんですけどね。」


確かこんな説明をされたと思う。

腫瘍の専門じゃない、という不安。

でも早く手術した方がいい、という焦り。


焦りが勝ってしまった。とにかく早く腫瘍を取り去らなくては。そう思った。


「手術、お願いします。」


ここが…ある意味ターニングポイントだった。ここで


「少し、考えさせてください。」


と言っていたら何か違ったかな。

もう少し長く元気でいられたのかも。

もう少し幸せな最期だったのかも。


今考えても仕方のないことだけど…


続く…



元気な頃のポンポコリンな、なーたん